第3ステージにて演奏する『ア・カペラ混声合唱のための ELEGIA』に関して、詩の北園克衛氏の特徴に触れつつ、
北園克衛氏は主にモダニズムの中で活躍した前衛詩人であり、「
~~~
1.
白い四角
のなか
の白い四角
のなか
の黒い四角
のなか
の黒い四角
のなか
の黄色い四角
のなか
の黄色い四角
のなか
の白い四角
のなか
の白い四角
2.
白
の中の白
の中の黒
の中の黒
の中の黄
の中の黄
の中の白
の中の白
3.
青
の三角
の髭
のガラス
白
の三角
の馬
のパラソル
黒
の三角
の煙
の
ビルディング
黄
の三角
の星
の
ハンカチイフ
4.
白い四角
のなか
の白い四角
のなか
の白い四角
のなか
の白い四角
のなか
の白い四角
~~~
一見むつかしく、よく分かりません。
北園氏は、日本におけるコンクリート・ポエトリー(
この作品に限らず、改行後の文頭に「の」
例えば
白
の三角
の馬
のパラソル
本来は前後と繋がっているはずの助詞「の」が、
肝要なのは、イメージが保たれたままだという事です。これが
白の三角の馬のパラソル
となると、区切りが分かりづらく、
読点を用いたとしても、
さて、ここから『ELEGIA』の話になります。
『単調な空間』と最も近い感覚で詩が書かれているのは、終曲の『
~~~
雨の街では
夜はすべてのガラスである
口紅で
彩色された
たとえば君
の透明なジェラシィ
または
シャボンの円錐
の上
の金髪の月など
夢は
翼あるガラス
である
遠い
夜の空に
きらめいてる
ガラスの旗のように
純粋
のエスプリ
の結晶
の石竹いろの
アヴェニュをよぎつていく
永遠的なシルゥエット
ひとたばの
音
のなかに
消えていく
手袋など
いつぽんの針
のなかの風
のように
すべての声は
とつぜんに
ちぎれていく
詩集「真昼のレモン」より
~~~
(後編へ続く)
-定期演奏会情報-
12/24(日) 第55回記念定期演奏会 @神戸文化ホール大ホール
詳しい情報・チケットのお申込みはこちら!
-過去の演奏が聴けるようになりました-
第53回定期演奏会の第1ステージ(平行世界、飛行ねこの沈黙)
第54回定期演奏会の第3ステージ(嫁ぐ娘に)
の演奏がYouTube上で聴けるようになりました!ぜひどうそ!
0 件のコメント:
コメントを投稿